何となく DICOM

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MultiFrame の 再生速度

血管撮影(XA)とか超音波検査(US)では動画として画像が発生することがある。

動画と言っても YouTube とかで使われる MPEG とかの形式では無く、複数枚の画像を連続して表示させる「パラパラ漫画」方式が現時点では主流だ。

(DICOM では MultiFrame と呼んでいる)

 

一般社会?では1秒間に再生する画像を増やせば動きが滑らかになるという事だし、滑らかに動かなければグラフィックボード等のハードウェアを検討すれば良いという事なのだが医用画像の場合は少し違う。

血管撮影に例えると1秒間に再生する画像を増やすことは被ばく量に直結するので、検査や治療に必要な最低限の画像(動画)の精度を確保した上で、なるべく画像を減らす工夫がされている。

心臓血管撮影では1秒間に15~30枚辺りが一般的な気がするし、心臓以外の血管撮影だと1秒間に3~5枚辺りの画像が多い気がする。

 

ビューア側では画像のタグ情報を基に撮影者(撮影機器)が意図した速度で再生する必要があるが、基本的には (0028,0009) Frame Increment Pointer に再生速度が記述されたタグを指定している

 DICOM 規格書の  Frame Increment Pointer の仕様には「Enumerated Value」として (0018,1063) Frame Time と  (0018,1065) Frame Time Vector  が書かれている。

「Enumerated Value」というのは「Defined Value」と違って例外は許されないという意味である為、前述の2つ以外の値を動作再生速度としては使用出来ない。

まれに装置メーカーさんからビューアの再生速度に (0018,0040) Cine Rate 等、別のタグ情報を使用して欲しい旨の依頼を受ける事があるが、その時点で DICOM を理解していないという事になる。

 

ちなみに1秒は 1000msなので、 1000ms ÷ (0018,1063) Frame Time の値で Frame Rate に換算出来る。

(0018,1063) Frame Time が67であれば、1000 ÷ 67 = 15 frame/sec となる。