何となく DICOM

内容の真偽は自己責任でお願いします

MPPSの仕組み

MPPS(Modality Performed Procedure Step)とはモダリティから送信される検査の進捗であったり検査手技の情報であり、N-CREATEとN-SETの2つのコマンドと、IN PROGRESSとCOMPLETEDの2つのステータスの組み合わせのメッセージである。

 

通常は、

1)N-CREATEコマンド / IN PROGRESS ステータス

2)N-SETコマンド / IN PROGRESS ステータス

3)N-SETコマンド  / COMPLETED ステータス

というシーケンスとなるが、モダリティにより 2)は省略されることもある。

 

N-CREATEコマンドにはほとんど検査の情報は含まれていないので、MPPSを検査情報の収集等の目的で利用するのであればN-SETコマンドを利用する事になる。

 

レポートシステムや電子カルテ(RIS)が検査進捗としてMPPSを利用するのであれば、

1)N-CREATEコマンド / IN PROGRESS ステータス → 検査開始

2)N-SETコマンド / IN PROGRESS ステータス → 検査中

3)N-SETコマンド  / COMPLETED ステータス → 検査終了

 

という進捗情報をレポートシステムや電子カルテ上に反映させることが出来る。

 

 

 

検査の一意性を担保する(0020、000D)Study Instance UID は N-CREATEコマンドのみに存在し N-SETコマンド には含まれない。

N-CREATEコマンド と N-SETコマンドの紐づけは MPPS の SOP Instance UID により行われる。

 

つまりレポートシステムや電子カルテ(RIS)が MPPS を検査の進捗管理に使用する場合、受信した N-CREATEコマンド を(0020、000D)Study Instance UID で検査リストと紐づけておいて、その後の N-SETコマンド は(0000、1000)Affected SOP Instance UID、及び(0000、1001)Requested SOP Instance UID を使って検査リストと紐づけることになる。

 

MPPS から線量情報が退役したり、実運用において MPPS を正確に理解しているベンダーが少なかったりして何となく MPPS の利用が進んでいない気がするが、DICOM 運用化で検査の進捗管理は MPPS 以外には出来ないと思う!!